異世界トリップして厨房に立っていたらナゼか見初められ花嫁候補にされました
ちょこちょこ脱走しているらしく、何故か心夢美を見つけると目をギラリと光らせて近寄って来る。
そして甘えた振りをしておきながら強烈な猫パンチをしたり、隙を見ては家に侵入したり食べ物を失敬していく不届き者で、その時のドヤ顔はまるで心夢美が怒るのを楽しんでいるかの様だった。
ネコタがまだ家を持たないどら猫時代からの因縁の関係だ。
「やーめーてー」
心夢美は若干青ざめ、足を動かし軽く抵抗してみる。
はっきり言うと心夢美は猫が苦手なのである。
というより、昔経験したトラウマから「ちょっと怖い」という方が近い。
さっとその場から逃げようとするが、それを邪魔してくる。
「ちょっと邪魔だからどけてよネコタ!本当に踏みそうだから、危ないってば!」
暫し足にすり寄っていたネコタだったが、ちょっとしたお怒りに気がついたのか足から離れてくれた。
それに溜め息ひとつした心夢美が階段を降りようと一歩前に足を出した瞬間だった。
スッと毛皮の感触を感じた時にはもう遅く、次の瞬間足でネコタを蹴ってしまった。
「ブニャッ!!」
「あっ!!」
おまけに見事足を踏み外し、心夢美とネコタの短い驚きの悲鳴が重なった。
落ちる!!
そう思った次の瞬間、心夢美の思考はパッと途切れたのだった――。
そして甘えた振りをしておきながら強烈な猫パンチをしたり、隙を見ては家に侵入したり食べ物を失敬していく不届き者で、その時のドヤ顔はまるで心夢美が怒るのを楽しんでいるかの様だった。
ネコタがまだ家を持たないどら猫時代からの因縁の関係だ。
「やーめーてー」
心夢美は若干青ざめ、足を動かし軽く抵抗してみる。
はっきり言うと心夢美は猫が苦手なのである。
というより、昔経験したトラウマから「ちょっと怖い」という方が近い。
さっとその場から逃げようとするが、それを邪魔してくる。
「ちょっと邪魔だからどけてよネコタ!本当に踏みそうだから、危ないってば!」
暫し足にすり寄っていたネコタだったが、ちょっとしたお怒りに気がついたのか足から離れてくれた。
それに溜め息ひとつした心夢美が階段を降りようと一歩前に足を出した瞬間だった。
スッと毛皮の感触を感じた時にはもう遅く、次の瞬間足でネコタを蹴ってしまった。
「ブニャッ!!」
「あっ!!」
おまけに見事足を踏み外し、心夢美とネコタの短い驚きの悲鳴が重なった。
落ちる!!
そう思った次の瞬間、心夢美の思考はパッと途切れたのだった――。