君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「まぁ可愛らしいお嬢さん。さぁ、早く飲んで。」
少年とよく似た人懐っこい顔の女性がマグを差し出してくれる。
「僕が今日搾ったばかりの牛乳だよ。美味しいから飲んでよ。」
「どうもありがとう。」
女性からマグを受け取ったジゼルは一気に飲み干した。
こんな美味しい牛乳は初めてだ。
「とっても美味しいわ。牛がいるということは酪農を営んでおられるのですか?」
「そうよ。ここらへんは酪農家が多いの。でもこの前の内戦で男手が少なくなっちゃって。村全体で協力してなんとかやってるって感じさ。」
「そうでしたか。ちなみにここはグラディオーレンまでどのくらいでしょうか?」
「お嬢さん、王都に行きたいの?そうね、この村は王都圏の外れにあるから、馬車で急げば一日で行けるんじゃないかな?」
(まだそんな距離なんだ。逃亡がばれたらルイーザ様の追手がすぐに来るかもしれない。)
「酪農家とのことですが、牛の他に馬なんかも持っていらっしゃいますか?」
「何頭かいるよ。って、お嬢さんもしかして馬が欲しいの?」
「はい。失礼を承知でお願いします。1頭で良いんです。これを差し上げますので、私に譲ってください。」
ジゼルは自分の指にはまったままだったダイヤモンドの婚約指輪を外して女性の手に握らせた。
少年とよく似た人懐っこい顔の女性がマグを差し出してくれる。
「僕が今日搾ったばかりの牛乳だよ。美味しいから飲んでよ。」
「どうもありがとう。」
女性からマグを受け取ったジゼルは一気に飲み干した。
こんな美味しい牛乳は初めてだ。
「とっても美味しいわ。牛がいるということは酪農を営んでおられるのですか?」
「そうよ。ここらへんは酪農家が多いの。でもこの前の内戦で男手が少なくなっちゃって。村全体で協力してなんとかやってるって感じさ。」
「そうでしたか。ちなみにここはグラディオーレンまでどのくらいでしょうか?」
「お嬢さん、王都に行きたいの?そうね、この村は王都圏の外れにあるから、馬車で急げば一日で行けるんじゃないかな?」
(まだそんな距離なんだ。逃亡がばれたらルイーザ様の追手がすぐに来るかもしれない。)
「酪農家とのことですが、牛の他に馬なんかも持っていらっしゃいますか?」
「何頭かいるよ。って、お嬢さんもしかして馬が欲しいの?」
「はい。失礼を承知でお願いします。1頭で良いんです。これを差し上げますので、私に譲ってください。」
ジゼルは自分の指にはまったままだったダイヤモンドの婚約指輪を外して女性の手に握らせた。