君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
2人の足跡が遠ざかるのを確認して、
ジゼルははぁーっとため息をついた。
(すごいことを聞いてしまったかもしれない・・・)
自分が2つ下の妹デルフィーヌの身代わりだったということを聞いても、
ショックというようりは、むしろ「そういうことだったのか」と納得がいった。
外国はおろか、国内でさえ存在をいまいち認識されていない自分に
縁談が来ること自体がおかしいと思っていたのだ。
エドウィナを憎み、ジゼルを嫌う王妃が、
ジゼルを追い出す絶好の建前としてこの縁談を押し付けたというわけだ。
この結婚でジゼルがますます不幸になれば、それこそ王妃の思う壺だろう。
「お義母様の思い通りにはなりたくない」
そんな気持ちがジゼルの中に沸き上がっていた。
それと同時に忘れかけていた最愛の母の遺言を思い出す。
『必ず幸せになってね。』
そう、私はユーフォルビアのために結婚するんじゃない。
私自身が幸せになるために結婚するの。
ジゼルははぁーっとため息をついた。
(すごいことを聞いてしまったかもしれない・・・)
自分が2つ下の妹デルフィーヌの身代わりだったということを聞いても、
ショックというようりは、むしろ「そういうことだったのか」と納得がいった。
外国はおろか、国内でさえ存在をいまいち認識されていない自分に
縁談が来ること自体がおかしいと思っていたのだ。
エドウィナを憎み、ジゼルを嫌う王妃が、
ジゼルを追い出す絶好の建前としてこの縁談を押し付けたというわけだ。
この結婚でジゼルがますます不幸になれば、それこそ王妃の思う壺だろう。
「お義母様の思い通りにはなりたくない」
そんな気持ちがジゼルの中に沸き上がっていた。
それと同時に忘れかけていた最愛の母の遺言を思い出す。
『必ず幸せになってね。』
そう、私はユーフォルビアのために結婚するんじゃない。
私自身が幸せになるために結婚するの。