君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
王妃教育も無事に終了し、
1週間後にはマグノリアに向けて旅立つということで
最終準備に追われていたある日。
全く予想だにしていなかった人物がグリシーヌ宮を訪れた。
「お姫様、大変でございます。急いでお戻りください。」
マルゴが大慌てで中庭に駆け寄って来る。
「どうしたの、ばあや。転ぶといけないから、走ってはダメよ。」
「いえいえ、もう走らずにはおられません。シャンタル王妃様がお見えなのです。」
「え、お継母様が?なんてことなの、すぐに戻るわ。」
大急ぎで戻り、着替えてから応接室に行くと、
ド派手に着飾った王妃が座っていた。
きつすぎる香水の匂いにジゼルは思わず顔をしかめてしまう。
「相変わらず貧乏くさいところね。」
何か嫌味を言わなければ気が済まないのか、王妃はあいさつ代わりに嫌味を言ってくる。
「あと1週間で輿入れです。王妃教育の総仕上げとしてあなたの身だしなみを調えてあげましょう。」
王妃はジゼルのそばに控えていたマルゴに退出するように促し、3人の女官を招き入れた。
「その忌々しい赤毛を変えなくてはね。」
1週間後にはマグノリアに向けて旅立つということで
最終準備に追われていたある日。
全く予想だにしていなかった人物がグリシーヌ宮を訪れた。
「お姫様、大変でございます。急いでお戻りください。」
マルゴが大慌てで中庭に駆け寄って来る。
「どうしたの、ばあや。転ぶといけないから、走ってはダメよ。」
「いえいえ、もう走らずにはおられません。シャンタル王妃様がお見えなのです。」
「え、お継母様が?なんてことなの、すぐに戻るわ。」
大急ぎで戻り、着替えてから応接室に行くと、
ド派手に着飾った王妃が座っていた。
きつすぎる香水の匂いにジゼルは思わず顔をしかめてしまう。
「相変わらず貧乏くさいところね。」
何か嫌味を言わなければ気が済まないのか、王妃はあいさつ代わりに嫌味を言ってくる。
「あと1週間で輿入れです。王妃教育の総仕上げとしてあなたの身だしなみを調えてあげましょう。」
王妃はジゼルのそばに控えていたマルゴに退出するように促し、3人の女官を招き入れた。
「その忌々しい赤毛を変えなくてはね。」