君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「お姫様、王妃様の用事とは一体何だったので・・・ヒッ」
王妃が去った後、席を外すように命じられていたマルゴが部屋に入ってきた。
マルゴは変わり果てたジゼルを見て小さく悲鳴をあげる。
「どうして・・・どうしてこんなことに。」
マルゴは泣きながらジゼルの髪を梳いていた。
「赤毛は魔女の髪の毛だから、その髪で嫁ぐことは許さないんですって。」
「マグノリアは確かにここより封建的な国ですけれど、魔女狩りなんてうんと昔の話でございますよ。王妃様がなんと言おうと、マルゴはお姫様のお日さまみたいな赤い髪の毛が大好きでございます。」
「ありがとう。いつか自分のありのままの姿で生きられる日まで頑張るわね。お母様とも幸せになるって約束したの。」
「マルゴはいつまでもお姫様の幸せをお祈りしています。もう少し若ければ、マグノリアまでお供しましたのに。」
マルゴは王宮で孤立していたエドウィナの数少ない理解者で、
エドウィナ亡きあとはジゼルの乳母として養育を一手に担ってくれた。
しかし年齢はとうに60を過ぎており、寒さの厳しいマグノリアに連れて行くことはとてもできない。
「あなたは十分、母と私に尽くしてくれたわ。この恩は一生忘れない。だからね、クレマン先生と一緒にゆっくり過ごしてほしいの。いつまでも長生きしてね。」
そう言うとジゼルは最愛の乳母の小さな背中を抱きしめた。
王妃が去った後、席を外すように命じられていたマルゴが部屋に入ってきた。
マルゴは変わり果てたジゼルを見て小さく悲鳴をあげる。
「どうして・・・どうしてこんなことに。」
マルゴは泣きながらジゼルの髪を梳いていた。
「赤毛は魔女の髪の毛だから、その髪で嫁ぐことは許さないんですって。」
「マグノリアは確かにここより封建的な国ですけれど、魔女狩りなんてうんと昔の話でございますよ。王妃様がなんと言おうと、マルゴはお姫様のお日さまみたいな赤い髪の毛が大好きでございます。」
「ありがとう。いつか自分のありのままの姿で生きられる日まで頑張るわね。お母様とも幸せになるって約束したの。」
「マルゴはいつまでもお姫様の幸せをお祈りしています。もう少し若ければ、マグノリアまでお供しましたのに。」
マルゴは王宮で孤立していたエドウィナの数少ない理解者で、
エドウィナ亡きあとはジゼルの乳母として養育を一手に担ってくれた。
しかし年齢はとうに60を過ぎており、寒さの厳しいマグノリアに連れて行くことはとてもできない。
「あなたは十分、母と私に尽くしてくれたわ。この恩は一生忘れない。だからね、クレマン先生と一緒にゆっくり過ごしてほしいの。いつまでも長生きしてね。」
そう言うとジゼルは最愛の乳母の小さな背中を抱きしめた。