君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「いいですかな、ウィリアム国王。話し合いの前に、まずは返すものを返してもらいたい。」
「もちろんですよ、ラーデマッハー中将殿。だから怒りを鎮めてください。さぁ、レディ・ラーデマッハー。お父上のもとに帰りなさい。平和になったらまた遊びに来てくださいね。ジジも喜ぶだろうから。」
「陛下、敵国の私に親切にしていただいてありがとうございました。ジゼル様にもよろしくお伝えください。」
クララはウィリアムに感謝の言葉を伝えると、真っすぐ父親の元へ向かっていった。
「さ、これで無事にレディはお返ししたから、本題に入りましょうか。いただいた手紙によるとユリウス国王は終戦を希望しているとか。」
「はい。私が王としての実力に乏しく家臣をまとめきれなかったばかりに、シュヴァルツ公の暴走を許してしまいました。今があの男を止める最後のチャンスと考えています。そのためにウィステリア国王の力をお借りしたい。」
「具体的にどうするの?」
「ウィステリア軍にゲッティンゲン中将の首を取っていただきたい。」
「ちょっと待ってください。ゲッティンゲンって3人いる中将の1人ですよね?その首を国王自ら差し出すのですか?」
ローリー卿が思わず声を上げる。
「ゲッティンゲンはシュヴァルツ公の甥にあたる男だ。伯父の威光を盾に数々の悪事に手を染めている。殺されても惜しくない男だ。」
ラーデマッハー中将が吐き捨てるように言った。
「残る一人のファルツ中将はこのラーデマッハー中将の説得で我々陣営に与してくれました。よってゲッティンゲンを殺せばこの戦争は止められます。」
「もちろんですよ、ラーデマッハー中将殿。だから怒りを鎮めてください。さぁ、レディ・ラーデマッハー。お父上のもとに帰りなさい。平和になったらまた遊びに来てくださいね。ジジも喜ぶだろうから。」
「陛下、敵国の私に親切にしていただいてありがとうございました。ジゼル様にもよろしくお伝えください。」
クララはウィリアムに感謝の言葉を伝えると、真っすぐ父親の元へ向かっていった。
「さ、これで無事にレディはお返ししたから、本題に入りましょうか。いただいた手紙によるとユリウス国王は終戦を希望しているとか。」
「はい。私が王としての実力に乏しく家臣をまとめきれなかったばかりに、シュヴァルツ公の暴走を許してしまいました。今があの男を止める最後のチャンスと考えています。そのためにウィステリア国王の力をお借りしたい。」
「具体的にどうするの?」
「ウィステリア軍にゲッティンゲン中将の首を取っていただきたい。」
「ちょっと待ってください。ゲッティンゲンって3人いる中将の1人ですよね?その首を国王自ら差し出すのですか?」
ローリー卿が思わず声を上げる。
「ゲッティンゲンはシュヴァルツ公の甥にあたる男だ。伯父の威光を盾に数々の悪事に手を染めている。殺されても惜しくない男だ。」
ラーデマッハー中将が吐き捨てるように言った。
「残る一人のファルツ中将はこのラーデマッハー中将の説得で我々陣営に与してくれました。よってゲッティンゲンを殺せばこの戦争は止められます。」