君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~
(本気なんだな・・・)
しっかりと前を見据えるユリウスの瞳と対峙して、
ウィリアムは嬉しい気持ちになった。

自分がウィステリア王国を
他国と対等に渡り合えるまでに引き上げられたのは、
自分の将来に賭けてくれた女帝ウィルヘルミーナのおかげだった。
今度は自分が若い君主を助けてあげる番なのかもしれない。

「ユリウス国王の気持ちは分かった。貴方が本気なら、私も協力しよう。」
ウィリアムの言葉にユリウスの表情が幾分和らぐ。
「だが、この申し出を引き受けるにはこちらとしても条件がある。」
「なんでしょうか?」
ウィリアムの言葉にググっと身を乗り出してきたユリウス、ロートシルト、ラーデマッハーの3名に
ウィリアムは自分の計画を話し始めた。
< 164 / 247 >

この作品をシェア

pagetop