君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~
「お前の命ごときで、我が国が受けた痛みは癒えないが。死んでいった同胞たちのためにも、お前にはその命をもってつぐなってもらわなければならない。貴様ごときが、よくも好き勝手してくれたな!」
エドワーズ将軍は自らの剣を引き抜いて、ものすごい殺気を放ってゲッティンゲン中将に襲い掛かる。
ゲッティンゲンは追い詰められすぎておかしくなったのか、
ものすごい奇声を発して剣を振りかざして応戦する。

普段偉そうに部下をこき使うだけでまともに鍛錬をしていないゲッティンゲンが
エドワーズ将軍に敵うはずもなく、
瞬く間に剣を振り払われると鮮やかな一閃で首を飛ばされた。
その芸術のような剣裁きには思わずロートシルトも見惚れてしまうほどだった。
「・・・お見事です、将軍。」
「あまりのクズっぷりに、久しぶりに力が入ってしまったわ。」
「ゲッティンゲンの首を晒して、ウィステリア軍の勝利を告げろ!」

ゲッティンゲンの晒し首を目にしたゲッティンゲン軍の兵士たちは皆降伏し、
ウィステリアの捕虜となった。
この勝報は直ちにウィリアム達にも伝えられ、
計画通り即時停戦となった。
「いや~まずは計画の第1段階が順調に運んで良かったよ。」
「ロートシルトの報告では怪我人は多数いるものの、死者は最小限に抑えられたと。」
「そっか。じゃあ今度はマグノリア軍に、うちの用事に付き合ってもらうよ。」
ウィリアムはユリウスの背中をたたく。
「明日には攻勢反転。ユーフォルビアへ進軍だ。」
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