君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「その噂は真実だ。」
ユリウスが静かに告げると、議事堂にはわずかに動揺が広がる。
「ウィステリアとハイドランジアの攻勢が激しく、ゲッティンゲン中将が戦死した。最大の軍事力を持つ軍が敗けたことで、私の判断でウィステリアとは停戦している。」
「ダニエルが・・・戦死したじゃと。」
甥の訃報にシュヴァルツ公は威勢を失い、ドカッと椅子に座りこむ。
「ウィリアム国王から停戦の条件として、ユーフォルビアへの進攻に参加することを提示されたので、ラーデマッハー・ファルツの2軍を派遣している。それだけのことだ。」
「しかし我々に相談もなく勝手に停戦だなんて。それにユーフォルビアは同盟国なんですよ。」
シュヴァルツ公派の伯爵が声をあげた。
「私が軍の頂点の元帥だ。私が最終決定権者なのだから、議会を通さなくても何も問題はないだろう。そして我々はユーフォルビアの領土を分捕るためにウィステリアと組んだわけではない。」
ユリウスは何人かの顔を一瞥して、話を続ける。
「ユーフォルビアでは国際的に栽培が禁止されている麻薬を生産しているようだ。我が国でも麻薬中毒者の数は年々増えて頭を抱えていたところだったのだが。今回我々が侵攻しているのはその元締めのヴァランタン侯爵領だ。ウィリアム国王の話では、麻薬の売買で儲けようと企んでいる貴族がいるようで、後々これに関しても追及していく。」
ユリウスが静かに告げると、議事堂にはわずかに動揺が広がる。
「ウィステリアとハイドランジアの攻勢が激しく、ゲッティンゲン中将が戦死した。最大の軍事力を持つ軍が敗けたことで、私の判断でウィステリアとは停戦している。」
「ダニエルが・・・戦死したじゃと。」
甥の訃報にシュヴァルツ公は威勢を失い、ドカッと椅子に座りこむ。
「ウィリアム国王から停戦の条件として、ユーフォルビアへの進攻に参加することを提示されたので、ラーデマッハー・ファルツの2軍を派遣している。それだけのことだ。」
「しかし我々に相談もなく勝手に停戦だなんて。それにユーフォルビアは同盟国なんですよ。」
シュヴァルツ公派の伯爵が声をあげた。
「私が軍の頂点の元帥だ。私が最終決定権者なのだから、議会を通さなくても何も問題はないだろう。そして我々はユーフォルビアの領土を分捕るためにウィステリアと組んだわけではない。」
ユリウスは何人かの顔を一瞥して、話を続ける。
「ユーフォルビアでは国際的に栽培が禁止されている麻薬を生産しているようだ。我が国でも麻薬中毒者の数は年々増えて頭を抱えていたところだったのだが。今回我々が侵攻しているのはその元締めのヴァランタン侯爵領だ。ウィリアム国王の話では、麻薬の売買で儲けようと企んでいる貴族がいるようで、後々これに関しても追及していく。」