君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~
賠償請求の会談の場には、
ウィステリア王国 ウィリアム国王
ハイドランジア帝国 女帝ウィルヘルミーナ
マグノリア王国 ユリウス国王
ユーフォルビア王国 ベルナール国王
の4名が一堂に会していた。
背後には側近たちが控えている。

賠償内容はユーフォルビアとマグノリアの侵攻によって荒廃した領土の復興にかかる費用の全額負担、
被災した建築物を再建する際に必要な人工の派遣など
合理的な内容ばかりで法外な賠償金や領土の割譲を要求されなかったことに
ユリウスもベルナールも安堵していた。

「戦争に対する賠償内容は以上だ。それと合わせて、この場でシュヴァルツ公に追求したいことがある。」
「私に何でしょうか?今回の我が国の戦争責任者はユリウス国王ですぞ。」
「そんなことは聞いていない。私が説明してもらいたいのはこっちだ。」
ウィリアムから提示されたものを見て、シュヴァルツ公は大量の汗をかき始める。
(なんでこれをコイツが知っているんだ!)
それは以前、ユリウスがウィリアムに提示した違法労働と人身売買に関する証拠だった。
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