君の愛に酔う　　　　　　～藤の下で出会った2人の物語～
犯罪者たちへの処罰が済んだら、
続いては自分を支えてくれた者たちの労に報いらなければならない。

まず初めに、戦死した軍人の家族にはお見舞金とともに今後の生活の保障を行う制度を調えた。
補償にも限界があり議会からも反対意見があったが、
遺族が最低限の生活は送れるようにしてやりたいというユリウスたっての希望で実現させた。
それと同時に軍の再編成も進めていく。
老齢を理由に大将の地位を退くことを表明したヴァルモーデン侯爵の後任には
ラーデマッハー中将を任命した。
ファルツ中将はそのまま残留。
そしてラーデマッハー中将の推薦もあり、
中将が全幅の信頼を寄せていたアドラー少将をもう一人の中将として昇格させることにした。
軍の内部では順当との見方が圧倒的で、アドラー少将も快諾している。

ユリウスの本音を言えば、
ロートシルトも中将に昇格させたかったのだが
3階級特進はさすがにやり過ぎだとラーデマッハー中将に諫められ、
2階級特進で少将に昇格させることにした。
20代の若さで少将にまで昇り詰めるのは異例中の異例で大出世である。

同時進行で閣僚の人選も行っていく。
今までとは違って平民からも登用したことで、
全閣僚の約半数が平民出身となった。
マグノリア王国としては画期的な出来事である。
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