君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~
その後、
ユリウスとジゼルが正式に婚約したことが
ウィリアムとユリウスの連名で正式に発表された。
ユリウスとの結婚を狙っていた令嬢たちの落胆ぶりはすさまじかったという。

ジゼルが嫁いでくるまでの間に、
ユリウスはジゼルのために様々な改革を行った。
まず最初に着手したのが、側室制度の廃止。
ユリウスの妻は生涯でジゼルただ一人だということを間接的に宣言したのだ。

その次は王城のリフォームを行う。
今まではユリウスの部屋だけでOKだったので、
執務室の隣に設置しているだけだったが、
ジゼルとのプライベートな時間を大切にしたいと思ったユリウスは
仕事場とプライベート空間を完全に分けることにした。

王城の西側の区画を丸ごと王族の居住空間とすることにして、
ユリウスの書斎とジゼルのプライベートルーム、
そしてその真ん中に主寝室を設けるレイアウトに変更。
裁縫が好きなジゼルのために
ウィステリアからわざわざ輸入したミシンを設置した裁縫専用の部屋も作った。
その他にも中庭の整備を行ったり、
乗馬が好きだったことを思い出すと中庭の隅に新設の厩舎も建設する。
その熱の入れようは王城内の噂になるほどだった。
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