君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
グラディオーレンの駅舎では、
ユリウス国王が花嫁の到着を今か今かと待っていた。
実はこの駅舎はユリウスとジゼルの結婚に合わせて整備され、
ジゼルを乗せた汽車がグラディオーレン駅に初めて停車する汽車となる。
以前からマグノリアにも汽車を走らせようという話はあったが、
莫大な予算が必要となるためなかなか実現に至らなかった。
それがジゼルが結婚するにあたり、
「線路をウィステリアからグラディオーレンまで延伸させて、汽車で嫁入りさせる」
とウィリアムが言い出したものだから停滞していた計画は一気に動き出すことになる。
「汽車に乗って花嫁がやって来るなんて、粋な演出ですね。」
ユリウスの隣でエルマーが呟く。
実務担当として結婚に関する様々な打ち合わせを行ってきたエルマーにとっても、
無事に今日の日を迎えられて感慨もひとしおだ。
ボーーーーーーー
汽笛の音がだんだんと近づいてきて、
漆黒の汽車が大量の煙とともにグラディオーレン駅に到着した。
駅員が車両のドアを開けると、
純白のドレスに身を包んだジゼルが恥じらいの笑みを浮かべながら姿を現した。
ユリウス国王が花嫁の到着を今か今かと待っていた。
実はこの駅舎はユリウスとジゼルの結婚に合わせて整備され、
ジゼルを乗せた汽車がグラディオーレン駅に初めて停車する汽車となる。
以前からマグノリアにも汽車を走らせようという話はあったが、
莫大な予算が必要となるためなかなか実現に至らなかった。
それがジゼルが結婚するにあたり、
「線路をウィステリアからグラディオーレンまで延伸させて、汽車で嫁入りさせる」
とウィリアムが言い出したものだから停滞していた計画は一気に動き出すことになる。
「汽車に乗って花嫁がやって来るなんて、粋な演出ですね。」
ユリウスの隣でエルマーが呟く。
実務担当として結婚に関する様々な打ち合わせを行ってきたエルマーにとっても、
無事に今日の日を迎えられて感慨もひとしおだ。
ボーーーーーーー
汽笛の音がだんだんと近づいてきて、
漆黒の汽車が大量の煙とともにグラディオーレン駅に到着した。
駅員が車両のドアを開けると、
純白のドレスに身を包んだジゼルが恥じらいの笑みを浮かべながら姿を現した。