君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
エドウィナ前王妃が生きていた時、
公式愛妾の地位に就いていたのはシャンタル・ド・ヴァランタン侯爵令嬢であった。
ヴァランタン侯爵家は綿花を栽培する大規模農園を経営し、国内でも有数の資産家一族である。
シャンタルはベルナール国王とは幼い頃からの仲で、
その美貌と実家の強力なバックアップで公式愛妾の地位を獲得した野心家の女性だ。
当然、エドウィナを目の敵にし、徹底的に苛め抜いた。
シャンタルの度重なる嫌がらせに心身ともに疲弊し、
みるみるやせ細っていったエドウィナ前王妃は
ジゼルが5歳の頃に息を引き取った。
ベルナール国王はエドウィナ前王妃の葬儀でも涙を見せることはなく、
喪が明けるとすぐにシャンタルを公式愛妾から王妃の地位に格上げすると発表した。
こうしてシャンタルはジゼルの継母となったのだが、
国王同様にジゼルには何の関心も示さず、実子ばかりに愛情を向けた。
そういうわけでジゼルは第一王女という身分にもかかわらず、
北の離宮グリシーヌ宮に留まり続けているのである。
公式愛妾の地位に就いていたのはシャンタル・ド・ヴァランタン侯爵令嬢であった。
ヴァランタン侯爵家は綿花を栽培する大規模農園を経営し、国内でも有数の資産家一族である。
シャンタルはベルナール国王とは幼い頃からの仲で、
その美貌と実家の強力なバックアップで公式愛妾の地位を獲得した野心家の女性だ。
当然、エドウィナを目の敵にし、徹底的に苛め抜いた。
シャンタルの度重なる嫌がらせに心身ともに疲弊し、
みるみるやせ細っていったエドウィナ前王妃は
ジゼルが5歳の頃に息を引き取った。
ベルナール国王はエドウィナ前王妃の葬儀でも涙を見せることはなく、
喪が明けるとすぐにシャンタルを公式愛妾から王妃の地位に格上げすると発表した。
こうしてシャンタルはジゼルの継母となったのだが、
国王同様にジゼルには何の関心も示さず、実子ばかりに愛情を向けた。
そういうわけでジゼルは第一王女という身分にもかかわらず、
北の離宮グリシーヌ宮に留まり続けているのである。