君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「大丈夫か。疲れているかもしれないが、前半の山場までもう少しだから頑張ってくれ。」
ユリウスは椅子にぐったり倒れこむジゼルに声をかける。
「あの、はい。大丈夫です。ご心配には及びません。」
声を振り絞ってジゼルが答える。
あんなに大勢の前に出たのは生まれて初めてのことで、
緊張でどうにかなりそうだった。
コルセットはきついし、宝冠は重いしで予想以上に疲労がたまっている。
でもこれから始まることを思うと今までのことなんて大したことない気がしていた。
今日は国王の結婚式なので国全体が祝日になっている。
国民たちは国王夫妻を祝福するために王宮内広場に詰めかけているのだ。
国民に新しい王妃をお披露目する意味合いもあって、バルコニーに出て手を振らなければならない。
そしてこの時国民が期待することは、初々しい国王夫妻がキスを交わすことである。
これはロイヤルウェディングの慣例で、国民の期待に応えるためにも外せないらしい。
この説明を初めて受けたとき、ジゼルは冷や汗が止まらなかった。
(キスなんて、、、無理無理無理ー心臓が飛び出る!)
となりであわあわしているジゼルを見かねてハンナたちがフォローする。
「ギーゼラ様、大丈夫です。落ち着いて。」
「そうですわよ。そこは陛下がリードしてくださいますので。」
「ギーゼラ様はにっこり微笑んで、うっとり目を閉じるだけで良いのです。」
ユリウスは椅子にぐったり倒れこむジゼルに声をかける。
「あの、はい。大丈夫です。ご心配には及びません。」
声を振り絞ってジゼルが答える。
あんなに大勢の前に出たのは生まれて初めてのことで、
緊張でどうにかなりそうだった。
コルセットはきついし、宝冠は重いしで予想以上に疲労がたまっている。
でもこれから始まることを思うと今までのことなんて大したことない気がしていた。
今日は国王の結婚式なので国全体が祝日になっている。
国民たちは国王夫妻を祝福するために王宮内広場に詰めかけているのだ。
国民に新しい王妃をお披露目する意味合いもあって、バルコニーに出て手を振らなければならない。
そしてこの時国民が期待することは、初々しい国王夫妻がキスを交わすことである。
これはロイヤルウェディングの慣例で、国民の期待に応えるためにも外せないらしい。
この説明を初めて受けたとき、ジゼルは冷や汗が止まらなかった。
(キスなんて、、、無理無理無理ー心臓が飛び出る!)
となりであわあわしているジゼルを見かねてハンナたちがフォローする。
「ギーゼラ様、大丈夫です。落ち着いて。」
「そうですわよ。そこは陛下がリードしてくださいますので。」
「ギーゼラ様はにっこり微笑んで、うっとり目を閉じるだけで良いのです。」