君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
バルコニーに出る準備が整うまで、
ジゼルはハンナたちのアドバイスを必死に思い返していた。
(私がただ陛下を見つめて、目を閉じるだけでいい。それで大丈夫。)
ちらりとユリウスに目をやると、特に緊張もしていなさそうで涼しげだ。
(やっぱり陛下は場数が違うのかしら。儀式中も少しも動揺なさらないし。いつも淡々とされている。)
あらゆることにびくついている自分が何も知らない子供のようだ。
でも実際、そうなのかもしれない。
ジゼルが世間知らずなだけで、これらのことは大したことではないのかも。
(私も仮にも王妃なんだからしっかりしないと。)
そうやってジゼルが気分をなんとか落ち着かせようとしていると、
「国王陛下、王妃陛下。ご準備を。」と声がかかる。
ユリウスがさっと立ち上がり、ジゼルをエスコートする。
バルコニーの隅にはもしもに備えてクララが控えており、
目が合うとにっこりと微笑んでくれた。
その笑顔に勇気をもらい、ジゼルはバルコニーへと踏み出した。
ユリウスとジゼルがバルコニーに顔を出すと、
王宮に詰めかけていた国民からわっと歓声が上がる。
「手を振ってごらん。」
ユリウスに促されて恐るおそるジゼルが手を振るとその歓声はさらに大きくなる。ジゼルが感激に浸っていると、そっとユリウスがジゼルの肩に触れる。
(ついに来たのね・・・)
ジゼルが目をつぶっているとユリウスがくすくす笑い始める。
「そんなにガチガチに緊張されるとこちらもやりにくいんだが。」
「えっ?」
ジゼルが思わず目を開けたその瞬間、
ユリウスの唇がジゼルの唇に重なった。
この時、国民たちのボルテージは最高潮に達し大歓声が上がった。
ジゼルはハンナたちのアドバイスを必死に思い返していた。
(私がただ陛下を見つめて、目を閉じるだけでいい。それで大丈夫。)
ちらりとユリウスに目をやると、特に緊張もしていなさそうで涼しげだ。
(やっぱり陛下は場数が違うのかしら。儀式中も少しも動揺なさらないし。いつも淡々とされている。)
あらゆることにびくついている自分が何も知らない子供のようだ。
でも実際、そうなのかもしれない。
ジゼルが世間知らずなだけで、これらのことは大したことではないのかも。
(私も仮にも王妃なんだからしっかりしないと。)
そうやってジゼルが気分をなんとか落ち着かせようとしていると、
「国王陛下、王妃陛下。ご準備を。」と声がかかる。
ユリウスがさっと立ち上がり、ジゼルをエスコートする。
バルコニーの隅にはもしもに備えてクララが控えており、
目が合うとにっこりと微笑んでくれた。
その笑顔に勇気をもらい、ジゼルはバルコニーへと踏み出した。
ユリウスとジゼルがバルコニーに顔を出すと、
王宮に詰めかけていた国民からわっと歓声が上がる。
「手を振ってごらん。」
ユリウスに促されて恐るおそるジゼルが手を振るとその歓声はさらに大きくなる。ジゼルが感激に浸っていると、そっとユリウスがジゼルの肩に触れる。
(ついに来たのね・・・)
ジゼルが目をつぶっているとユリウスがくすくす笑い始める。
「そんなにガチガチに緊張されるとこちらもやりにくいんだが。」
「えっ?」
ジゼルが思わず目を開けたその瞬間、
ユリウスの唇がジゼルの唇に重なった。
この時、国民たちのボルテージは最高潮に達し大歓声が上がった。