君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
中央の熱気から少し離れて、
ジゼルは冷たい水を飲み干す。
(とても華やかな世界。私には場違いな気がする。)
そんなことを考えながら壁の花とかしていたら、
男性が1人近づいてきた。
「今日の主役の王妃様がこんなところで油を売っていてはいけませんよ。」
「フォンテーヌ公爵様。」
「ユリウス国王との仲はそんなに悪くないようで安心しましたよ。あなたの母上エドウィナ前王妃と従兄さんのような破綻関係になってしまったら、あなたを嫁に出した意味がありませんからな。」
母のことを引き合いに出され、ジゼルは唇をかむ。
「従兄さんはマグノリア王国を完全に信用しきっていません。あなたのしくじりで同盟関係にひびが入った場合、従兄さんは迷わずあなたを切り捨てるでしょう。惨めになりたくなかったら、せいぜい寵愛を得られるように頑張りなさい。」
異国に一人ぼっちで嫁いだジゼルを労わるでもなく、
フォンテーヌ公は言いたいことを言い終えると舞踏会の人ごみに姿を消していった。
ジゼルは冷たい水を飲み干す。
(とても華やかな世界。私には場違いな気がする。)
そんなことを考えながら壁の花とかしていたら、
男性が1人近づいてきた。
「今日の主役の王妃様がこんなところで油を売っていてはいけませんよ。」
「フォンテーヌ公爵様。」
「ユリウス国王との仲はそんなに悪くないようで安心しましたよ。あなたの母上エドウィナ前王妃と従兄さんのような破綻関係になってしまったら、あなたを嫁に出した意味がありませんからな。」
母のことを引き合いに出され、ジゼルは唇をかむ。
「従兄さんはマグノリア王国を完全に信用しきっていません。あなたのしくじりで同盟関係にひびが入った場合、従兄さんは迷わずあなたを切り捨てるでしょう。惨めになりたくなかったら、せいぜい寵愛を得られるように頑張りなさい。」
異国に一人ぼっちで嫁いだジゼルを労わるでもなく、
フォンテーヌ公は言いたいことを言い終えると舞踏会の人ごみに姿を消していった。