君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
(最後に来たのは数年前なのに、道を間違えずに来れるなんて奇跡だわ。)
自分の記憶力に感心しながら、
玉座の間へとつながる扉の前に着くと、
ギルマン伯爵が待っていた。
「では王女殿下、参りましょう。」
ギルマン伯爵が衛兵に目で合図すると、重々しいドアが開けられた。
天井には宗教画が描かれ、豪華なシャンデリアが室内を照らしている。
金銀の彫像が至る所に置かれ、その様はまさに豪華絢爛。
王家の威光を体現しているかのようである。
そして部屋の一番奥の重厚な玉座には
ジゼルを呼び足した張本人、ベルナール国王が座っていた。
震える足を懸命に動かし、玉座の前まで進み出たジゼルは膝まづく。
「お久しぶりでございます、国王陛下。」
「ジゼルよ、そんなに堅苦しい挨拶はいらぬ。私たちは家族なのだから。顔を上げなさい。」
(今まで私を娘として扱ったことなんてないくせに・・・)
そう叫びだしたい気持ちをなんとか沈めてジゼルは顔を上げた。
国王の隣にはシャンタル王妃もいたが、二人とも不自然なくらい笑みを浮かべている。
自分の記憶力に感心しながら、
玉座の間へとつながる扉の前に着くと、
ギルマン伯爵が待っていた。
「では王女殿下、参りましょう。」
ギルマン伯爵が衛兵に目で合図すると、重々しいドアが開けられた。
天井には宗教画が描かれ、豪華なシャンデリアが室内を照らしている。
金銀の彫像が至る所に置かれ、その様はまさに豪華絢爛。
王家の威光を体現しているかのようである。
そして部屋の一番奥の重厚な玉座には
ジゼルを呼び足した張本人、ベルナール国王が座っていた。
震える足を懸命に動かし、玉座の前まで進み出たジゼルは膝まづく。
「お久しぶりでございます、国王陛下。」
「ジゼルよ、そんなに堅苦しい挨拶はいらぬ。私たちは家族なのだから。顔を上げなさい。」
(今まで私を娘として扱ったことなんてないくせに・・・)
そう叫びだしたい気持ちをなんとか沈めてジゼルは顔を上げた。
国王の隣にはシャンタル王妃もいたが、二人とも不自然なくらい笑みを浮かべている。