君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
落馬をしたあの日から、ジゼルは自室に閉じこもりがちになっていた。
自分の我がままのせいでクララを危険な目に合わせ、
何の罪もないオルキスの命を奪うところだった。
一度だけ、ユリウスがクララの父ラーデマッハー中将を伴って見舞いに来てくれた。
娘の不注意で王妃様に怪我をさせてしまったと詫びる中将に
ジゼルは悪いのはこちらだと謝罪する。
「クララは危ないからと乗馬に反対でした。私の我がままに彼女は付き合ってくれただけなのです。決してクララを叱らないでくださいね。」
「王妃様が毎日届けてくださる花に娘は感激しております。利き手の方の肩が完治していないのでお礼状が書けておりませんが、王妃様に感謝を伝えてほしいと娘から言付かっています。お気遣いありがとうございます。」
そう言うとラーデマッハー中将は退出していった。
ユリウスがジゼルのベットに腰かける。
「気分はどうだ、王妃。」
「お医者様にお薬もいただいているので、落ち着いております。陛下、多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
「あなたが落馬したと聞いた時は、さすがに焦った。だが、これで分かっただろう。」
ユリウスが幾分鋭い眼差しを向ける。
「あなたに仕える者たちは、あなたを守るために命を懸けている。あなたの何気ない言動が、今回のような大事になることだってあるのだ。今後は自分の言動にもっと気をつけるように。」
「はい、陛下。」
ユリウスからの厳しい言葉にジゼルはポロポロと涙をこぼしてしまった。
自分の我がままのせいでクララを危険な目に合わせ、
何の罪もないオルキスの命を奪うところだった。
一度だけ、ユリウスがクララの父ラーデマッハー中将を伴って見舞いに来てくれた。
娘の不注意で王妃様に怪我をさせてしまったと詫びる中将に
ジゼルは悪いのはこちらだと謝罪する。
「クララは危ないからと乗馬に反対でした。私の我がままに彼女は付き合ってくれただけなのです。決してクララを叱らないでくださいね。」
「王妃様が毎日届けてくださる花に娘は感激しております。利き手の方の肩が完治していないのでお礼状が書けておりませんが、王妃様に感謝を伝えてほしいと娘から言付かっています。お気遣いありがとうございます。」
そう言うとラーデマッハー中将は退出していった。
ユリウスがジゼルのベットに腰かける。
「気分はどうだ、王妃。」
「お医者様にお薬もいただいているので、落ち着いております。陛下、多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
「あなたが落馬したと聞いた時は、さすがに焦った。だが、これで分かっただろう。」
ユリウスが幾分鋭い眼差しを向ける。
「あなたに仕える者たちは、あなたを守るために命を懸けている。あなたの何気ない言動が、今回のような大事になることだってあるのだ。今後は自分の言動にもっと気をつけるように。」
「はい、陛下。」
ユリウスからの厳しい言葉にジゼルはポロポロと涙をこぼしてしまった。