君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「今回のことは陛下も大変心を痛めていらっしゃるのよ。」
ルイーザがみんなに聞こえるように話し始める。
「クララ様のお父上のラーデマッハー中将がこの件でご立腹だったそうで。陛下の監督不行き届きじゃないかと詰め寄ったそうですの。陛下は中将をなだめるのに大変ご苦労なさって、毎晩お慰めしてさし上げたの。」
「まぁ、ルイーザ様。なんてお優しいの。」
「陛下は毎晩ルイーザ様に癒しを求めるだなんて。ずいぶんとルイーザ様にご執心なのね。羨ましいですわ。」
正妻である王妃が目の前にいるにも関わらず、
取り巻きたちは口々にルイーザを誉めそやす。
「本来は王妃様のお役目なんでしょうけど。陛下は心が正直でいらっしゃるのね。」
「私もたまには王妃様のところにって申し上げるのですけど、陛下が聞く耳を持たなくて。最近は寝不足なんですの。」
取ってつけたように恥じらうルイーザにジゼルは気分が悪くなった。
それ以降もあの手この手でルイーザたちはジゼルをなじり続ける。
取り巻き以外の招待客は同調するか、会話は聞いているが話には加わらないかのどちらか。
ジゼルに味方してくれるものはいなかった。
その後、お茶会がどうやってお開きになったのか、どうやって帰って来たのかジゼルには全く記憶がなかった。
唯一覚えていることは、悔しさと恥ずかしさでベットで大泣きしたことだった。
ルイーザがみんなに聞こえるように話し始める。
「クララ様のお父上のラーデマッハー中将がこの件でご立腹だったそうで。陛下の監督不行き届きじゃないかと詰め寄ったそうですの。陛下は中将をなだめるのに大変ご苦労なさって、毎晩お慰めしてさし上げたの。」
「まぁ、ルイーザ様。なんてお優しいの。」
「陛下は毎晩ルイーザ様に癒しを求めるだなんて。ずいぶんとルイーザ様にご執心なのね。羨ましいですわ。」
正妻である王妃が目の前にいるにも関わらず、
取り巻きたちは口々にルイーザを誉めそやす。
「本来は王妃様のお役目なんでしょうけど。陛下は心が正直でいらっしゃるのね。」
「私もたまには王妃様のところにって申し上げるのですけど、陛下が聞く耳を持たなくて。最近は寝不足なんですの。」
取ってつけたように恥じらうルイーザにジゼルは気分が悪くなった。
それ以降もあの手この手でルイーザたちはジゼルをなじり続ける。
取り巻き以外の招待客は同調するか、会話は聞いているが話には加わらないかのどちらか。
ジゼルに味方してくれるものはいなかった。
その後、お茶会がどうやってお開きになったのか、どうやって帰って来たのかジゼルには全く記憶がなかった。
唯一覚えていることは、悔しさと恥ずかしさでベットで大泣きしたことだった。