君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「何がいいか、いろいろ考えたのだけど。せっかくなら使ってもらえるものがいいかしらと思って。」
ジゼルはそう言って、クララに箱を差し出す。
「開けてもよろしいですか?」
「もちろんよ。」
細長い木箱には何やら革製品が入っている。
「王妃様、これはサム・ブラウン・ベルトですか?」
「えぇ。腰のところに馬蹄を刺繍したの。だからこれはあなただけの物よ。」
確かに腰のところに銀糸で馬蹄が刺繍されている。
サム・ブラウン・ベルトとは軍人が帯剣するときに装着するもので、
クララも騎士団で支給されたものを使っていた。
しかしこの一品は王家からの贈り物とあって、支給品よりも遥かに上等なのは一目瞭然だ。
赤茶色の革は艶や肌触りが全然違う。
こんな上等な革に刺繍するなんて相当根気が必要だっただろう。
「国王陛下、王妃陛下、謹んで頂戴いたします。」
「ラーデマッハー大尉、これからも王家のために力を尽くしてほしい。」
「はい、陛下。仰せのままに。」
ジゼルはそう言って、クララに箱を差し出す。
「開けてもよろしいですか?」
「もちろんよ。」
細長い木箱には何やら革製品が入っている。
「王妃様、これはサム・ブラウン・ベルトですか?」
「えぇ。腰のところに馬蹄を刺繍したの。だからこれはあなただけの物よ。」
確かに腰のところに銀糸で馬蹄が刺繍されている。
サム・ブラウン・ベルトとは軍人が帯剣するときに装着するもので、
クララも騎士団で支給されたものを使っていた。
しかしこの一品は王家からの贈り物とあって、支給品よりも遥かに上等なのは一目瞭然だ。
赤茶色の革は艶や肌触りが全然違う。
こんな上等な革に刺繍するなんて相当根気が必要だっただろう。
「国王陛下、王妃陛下、謹んで頂戴いたします。」
「ラーデマッハー大尉、これからも王家のために力を尽くしてほしい。」
「はい、陛下。仰せのままに。」