君の愛に酔う ~藤の下で出会った2人の物語~
「いいな~いいな~。めっちゃカッコいいじゃん。俺も欲しいな~。」
クララの腰に巻かれたベルトに、
ロートシルトが羨望の眼差しを向ける。
「クララ、これ下手したら親父さんより上等なものもらったんじゃない?」
「そうですかね?あんまり興味ないですけど。」
「ここだけの話だけどさ、王妃の命を救った功で、昇格させるかって話が出たんだよ。」
「少佐にってことですか?」
「そうそう。最近は軍にも女性が増えて来たし、女性の指揮官を増やしたいって思惑もあってさ。さすがにそれは中将が反対して、立ち消えになったけど。」
「私も少佐にまでなったら荷が重すぎるので、逆に良かったです。」
軍隊において少佐は指揮官階級に属する。
有事の際には一つの隊を指揮する権限が与えられる階級だ。
そのため、大尉から少佐に昇格できるかが出世コースに乗れるか否かの分岐点でもあった。
「クララは若いし、そんな焦ることないよ~俺みたいなおじさんは必死にならないといけないけど。」
「団長だって、その年で大佐にまでなっているんですから立派に出世コースじゃないですか。」
「中将のお嬢様が、俺の良い話を中将のお耳にもっと入れてくれると、准将が見えてくると思うんだけどな~。」
「そんなこと絶対にしませんっ!冗談が過ぎますよ、団長。」
「はいはい、分かった分かった。王妃様からいただいたそれ、大事に管理しなよ。」
そう言ってヒラヒラと手を振ると、ロートシルトは騎士団本部に戻っていった。
クララの腰に巻かれたベルトに、
ロートシルトが羨望の眼差しを向ける。
「クララ、これ下手したら親父さんより上等なものもらったんじゃない?」
「そうですかね?あんまり興味ないですけど。」
「ここだけの話だけどさ、王妃の命を救った功で、昇格させるかって話が出たんだよ。」
「少佐にってことですか?」
「そうそう。最近は軍にも女性が増えて来たし、女性の指揮官を増やしたいって思惑もあってさ。さすがにそれは中将が反対して、立ち消えになったけど。」
「私も少佐にまでなったら荷が重すぎるので、逆に良かったです。」
軍隊において少佐は指揮官階級に属する。
有事の際には一つの隊を指揮する権限が与えられる階級だ。
そのため、大尉から少佐に昇格できるかが出世コースに乗れるか否かの分岐点でもあった。
「クララは若いし、そんな焦ることないよ~俺みたいなおじさんは必死にならないといけないけど。」
「団長だって、その年で大佐にまでなっているんですから立派に出世コースじゃないですか。」
「中将のお嬢様が、俺の良い話を中将のお耳にもっと入れてくれると、准将が見えてくると思うんだけどな~。」
「そんなこと絶対にしませんっ!冗談が過ぎますよ、団長。」
「はいはい、分かった分かった。王妃様からいただいたそれ、大事に管理しなよ。」
そう言ってヒラヒラと手を振ると、ロートシルトは騎士団本部に戻っていった。