溺愛ヤクザの蜜愛条件~契約のキスが甘すぎる~
性格も素直で呑気、ちょっと天然なところもオーナー夫妻やパートの主婦達が自分の娘の様に可愛がりたくなってしまう理由らしい。

そんな美祐がニコニコ笑顔で花に囲まれ頑張る姿は、客や近くの店の店員は密かに『いいな』と思われる要因でもある。
勇気ある男性は声を掛けアピールしているのだが、遠回しだと気づかれず、直接的に言おうとするとタイミングがズレて失敗に終わる為、本人に全く彼らの気持ちは届いていない。

美祐は昔から告白のチャンスを尽く潰す天才だったので、繁華街に近い賑やかな場所での勤務にも関わらず、いつもと変わらず平凡な日常を送っていた。

「花~はとっても綺麗だよ~こっちの花は~あっ。電話だ!」

自作の花の歌を口ずさみながら外の植木を運び入れていると、ポケットに入れていた店専用のスマホが震え着信を知らせた。
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