溺愛ヤクザの蜜愛条件~契約のキスが甘すぎる~
男性客は『来れないって言ってたクセにサプライズとか抜かしやがって』と小声で愚痴ったが、自分の事で精一杯の美祐には全く聞こえていなかった。

―花束って、どのくらいの予算だろう?メインは何がいいのかな?どんなイメージで作ろう?

『取り敢えず一万で。薔薇メインで豪華な感じのヤツ頼む!!』

「あっ、はいっ!えっと、でも薔薇以外では何を、」

『何でもいいから!テキトーに花束になってりゃ問題ない!!』

イライラした口調で言われて美祐は少し怖くなり「はい」と小さく返した。

『とにかく一時間以内に届けてくれ。場所は歌舞伎町二丁目△△のクラブ―』

相手は早口で捲し立てるとガチャっと勢いよく電話を切ってしまった。
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