【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。


「え、そうですか?」

「はい。……私、今までメガネあんまり掛けたくない派だったんですけど、これからたくさんメガネを掛けようと思います」

 そう思わせてくれたのは、確かに宮栄さんだ。

「それは嬉しいお言葉ですね。ありがとうございます、土岐村様」

「こちらこそ、ありがとうございます。 とてもいい買い物が出来ました」

「良かったです。……では、掛け心地を調整させていただきますね」

 宮栄さんは真正面から、そして上からや横からなどから掛け心地をチェックしていく。
 そしてその段階でふと気付く。

 距離がものすごく近い……と。
 調整するから当たり前なんだけど、そんなに近いともっと緊張してドキドキしてしまう。

「今調整してきますので、少々お待ちくださいね」

「はい」

 宮栄さんって……本当にステキな人だよね。言葉遣いも丁寧で、話し方もとても上手で、もちろん聞き上手でもあるし。
 宮栄さんはこの仕事に、とことん向いている気がする。 宮栄さんという人間そのものが、素晴らしくて優しい陽だまりみたいな人だ。

 私も楽しいメガネライフを、これから送りたいなって思う。
 メガネってさ、目が悪い人にとってなんだかんだやっぱり必要だし。
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