【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
「ねぇ、宮栄さんってほんとにイケメンじゃない? ステキよねぇ」
耳打ちで私にそう言ってくるあずさは、なんだか幸せそうな顔をしている。
「アンタが気になるの、めっちゃ分かるわぁ」
「だから、そういうのじゃないって言ってるでしょ?」
そんな会話をしていると、宮栄さんがあずさの元へと戻ってくる。
「お待たせ致しました。あずさ様に似合いそうなものをお持ちしましたので、よければお試ししてみてください」
「ありがとうございます」
宮栄さんが持ってきたフレームは、とてもオシャレでステキなものばかりだった。
「あずさ、どう?」
「うん、これもいいね。かわいい」
「ね、似合ってるよ。かわいい」
伊達メガネといえども気を抜かないのがあずさなのだ。 何せあずさは今、絶賛婚活中なのだから。
婚活を上手く進めたいあずさは、少しでも知的に見えるように伊達メガネを掛けたいそうだ。
婚活のためにわざわざメガネを買おうと思うなんて……。
「和音、こっちの方が知的に見えない?」
「まあ、確かにそうかも」
私たちの会話を聞いていた宮栄さんが、「こちらの形はウェリントン型と言いまして、スマートな印象や知的な印象になりますよ」と言ってくれた。