【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
「土岐村様、手当をさせてください」
「あ……はい。ありがとうございます」
宮栄さんは救急箱を持って、私のそばへとやって来た。
「土岐村さんのキレイな足が血で汚れてしまっていますね。痛そうだ」
「あ……いえ」
宮栄さんの優しい表情を見ていると、なんだか心が穏やかになる。
「消毒しますね。 ちょっと染みると思いますが、我慢してくださいね」
「はい」
優しい手つきで消毒してくれる宮栄さんは、心配そうに私に「さっき、入口の一番近くにいたのは土岐村さんでしたね。……あんな目の前に車が突っ込んで来たら、怖かったですよね」と声をかけてくれる。
「はい。ちょっと……ビックリしました」
私はその場から動けなくて、結局避けられなかったし。
「でも、大きなケガがなくて良かったです」
「すみません、ご心配かけて」
「いえ、念の為警察が来たら病院に行きましょう」
「いえ、そこまでは……」
でも宮栄さんは「いえ、念の為行きましょう。ちゃんと診てもらいましょう?」と絆創膏を貼ってくれる。
「……はい」
宮栄さんの優しさに触れると、ドキドキしてしまった。
「大丈夫ですよ。……もう、大丈夫」
宮栄さんは優しく微笑んでくれた。