【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。


「さ、帰ろうか、和音」

「うん」

 そのまま病院を出た私は、あずさと共にタクシーに乗り込んだ。

「……ねぇ、あずさ」

「ん?」

「お店って……どうなった?」

 タクシーの中でそう聞くと、あずさは「グチャグチャになってたもんね。 一応お店に突っ込んできた車は、警察が引き上げてったよ。色々と調べたいからって」とスマホを見せてくれた。

「念の為、撮影しておいたの」

「そうなんだ。ありがとう」

 今見てもかなり悲惨な状態だと思う。お客さんでも特に大きなケガをした人はいなかったけど、みんなケガしてるから、悲惨なことだけは目に見て分かる。

「無人の車が突っ込んできたなんて、信じられないよね。 まさかだよ、本当に」

「……ね、怖いよね」

「しかも、すでにニュースになってるからね。報道陣とかも何人か来てたしね」

 私はそのニュース記事を見ながら「そうなんだ。……まあ、そうだよね」とため息を付く。

「宮栄さん、アンタのこと心配してたよ」

「え……?」

 宮栄さんが……?

「アンタが一番入口に近い所にいたから、危なかったしね。 なんか、すごく気にしてたよ。待合室に案内しちゃったからだって」

「……そうなんだ」
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