【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
そんなに私のこと気にしてくれるなんて……。
嬉しいような、恥ずかしいような……。
「ね、あずさ……」
「ん?」
私はあずさに「今から宮栄さんの所に、行ってもいい?」とお願いをした。
するとあずさは、その言葉を予測していたかのように「アンタなら、そう言うと思った」と微笑む。
「ありがとう」
「いえいえ。じゃあ、行こっか」
「うん」
タクシーの運転手さんにお店にまで行ってもらうようにお願いすると、運転手さんは「分かりました」と、タクシーを再び走らせてくれる。
「ありがとうございました!」
タクシーを降りた私とあずさは、すぐに宮栄さんの元へと向かった。
「宮栄さんっ!」
「はい?……え、土岐村さん?」
宮栄さんはお店の奥に座っていた。
「それに野瀬さんも……どうして?」
不思議そうな顔をしている宮栄さんに、私は「あの……私たちに、なにか出来ることはありますか?」と問いかけてみる。
「え……?」
「私たちも、なにかお手伝い出来ることがあれば、手伝いたいんです」
私の言葉を聞いた宮栄さんは少しだけホッとしたような表情を見せ、「その気持ちだけで、充分ですよ」と微笑む。