【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
「これは私が預かりますね」
「あ、ありがとうございます」
破片のはいった袋を受け取った宮栄さんは、それを奥へと持っていく。
「だいぶ、キレイになってきましたね」
「お二人のおかげです」
近くにいたもう一人の女性のスタッフさんが「本当に、ありがとうございます」とお礼を言ってくれる。
「いえ、気にしないでください。 お役に立てて、嬉しいです」
そんな私に、スタッフの長谷(はせ)さんは「一番嬉しいのは、宮栄だと思います」と後ろにいる宮栄さんに視線を向けている。
「……え?」
長谷さんは再び私たちに視線を戻すと「宮栄は、今日のことで責任を感じています。……あの時、もっと早く気付いてあげられたらと、後悔しているようでしたし」と話してくれた。
「そんな……。宮栄さんは何も悪くないのに」
「特に……土岐村さん、あなたに責任を感じています」
長谷さんの言葉に、私は「え……?」と宮栄さんに視線を向ける。
「宮栄は、土岐村さんのことをとても心配していました。もしあなたが、大きなケガでもしていたら……と、不安になっていました。 大切なお客様を傷付けてしまった、と申し訳ない気持ちになったんだと思います」