【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。


 私はその言葉を聞いて、なんだか泣きそうになった。 宮栄さんの本音を聞けたような気がして、嬉しかったのかもしれない。
 
「本当に……大きなケガじゃなくて、良かったです」

「……ありがとうございます」

 宮栄さんは、なんて優しい人なんだろう……。こんなに私のことを心配してくれるなんて、素晴らしい人だ。
 本当に、彼は人として素晴らしすぎる。メガネを買いに来たお客さんだからこそなのかもしれないけど……宮栄さんはステキな人だ。

「長谷さん、疲れただろ?少し休憩にしよう」

「はい。ありがとうございます」

 長谷さんが休憩をしにバックヤードに向かったのを確認した宮栄さんは、「土岐村さん」と私のことを呼んだ。

「はい?」

「ちょっと、いいですか?」
 
「……え?」

 私は宮栄さんに呼び出され、お店を一旦出た。
 その様子を見ていたあずさは、ニヤニヤしながら私に手を振っていた。

「あの、宮栄さん? どうかしました?」

「土岐村さん……後日、今日のお詫びをさせてもらえませんか?」

「え、お詫び……?」

 一体なんのお詫び……かな?

「はい。ケガをさせてしまった、お詫びです」

「いえ!そんな、お詫びだなんて……」
< 33 / 46 >

この作品をシェア

pagetop