【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。


 あれは宮栄さんが悪い訳ではないから、詫びる必要なんてないのに……。
 どうしてそんなことを……?

「いえ、私があなたを待合室に案内したばかりに、あんなケガを……」

 宮栄さんの言葉に、私は「宮栄さん、本当に気にしないでください。 大したケガじゃなかったので」と伝える。

「……土岐村さん」

「私のことをこんなに心配してくれるなんて……私の方こそ、ありがとうございます」

 私が微笑むと、宮栄さんは「あなたは、本当にいい人ですね」と私に言ってくれた。

「普通なら、私を責めたくなるでしょう。大したことがない言えども、ケガをしたんですから。……なのにあなたは、私に気にしないでと笑ってくれる。 本当に、心が救われます」

「だって……宮栄さんはお店をめちゃくちゃにされたんですよ? 私がそんなことで責めたら、私はそれこそ最低人間になりますよ」

 笑いながらそう言った私に、宮栄さんも釣られて微笑む。

「確かに、それもそうですね」

「そうですよ。……だから、本当に気にしないでくださいね?」

 そんな私の手を握った宮栄さんは、「ありがとうございます」と爽やかな微笑みを浮かべる。

「私こそ、手当してくれてありがとうございます」
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