【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
「確かに」
「さて、行きましょうか。 和音、さん」
「はい。……紘毅(こうき)、さん」
下の名前で呼び合うなんて……恥ずかしい。 でもちょっぴり、嬉しい。
「今日はなんでも言ってくださいね。僕は、今日はあなたのヒーローですから」
「ヒーロー……?」
「はい。ヒーロー、です」
宮栄さんが私のヒーローか……。なんか、照れる。
「僕はあの時、あなたを守れなかったことだけを後悔してるんです。……だから今日は、あなたを守るためにヒーローになります」
「それってつまり……」
私だけのヒーロー……ってこと?
「ヒーローは、ヒロインを守るのが役目です。あなたは私にとって、ヒロインですから」
「ヒロイン……?」
私が、ヒロイン……? なんか、ドラマみたい。
「そうです。大切な大切な、ヒロインです」
「ヒロイン……ですか」
「そうです。ヒロインがいないと、ヒーローは役に立ちませんからね」
そう話す宮栄さんはちょっぴり嬉しそうだった。
「あなたはあの時から……ずっとヒーローですよ、私の」
「え?」
「あなたとお店で出会ってメガネを買ったあの日から、あなたは私のヒーローですよ?」
そう、あなたはヒーロー。