【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。


「確かに」

「さて、行きましょうか。 和音、さん」

「はい。……紘毅(こうき)、さん」

 下の名前で呼び合うなんて……恥ずかしい。 でもちょっぴり、嬉しい。

「今日はなんでも言ってくださいね。僕は、今日はあなたのヒーローですから」

「ヒーロー……?」

「はい。ヒーロー、です」

 宮栄さんが私のヒーローか……。なんか、照れる。

「僕はあの時、あなたを守れなかったことだけを後悔してるんです。……だから今日は、あなたを守るためにヒーローになります」

「それってつまり……」

 私だけのヒーロー……ってこと?

「ヒーローは、ヒロインを守るのが役目です。あなたは私にとって、ヒロインですから」

「ヒロイン……?」

 私が、ヒロイン……? なんか、ドラマみたい。

「そうです。大切な大切な、ヒロインです」

「ヒロイン……ですか」

「そうです。ヒロインがいないと、ヒーローは役に立ちませんからね」

 そう話す宮栄さんはちょっぴり嬉しそうだった。

「あなたはあの時から……ずっとヒーローですよ、私の」

「え?」

「あなたとお店で出会ってメガネを買ったあの日から、あなたは私のヒーローですよ?」

 そう、あなたはヒーロー。
< 38 / 46 >

この作品をシェア

pagetop