新そよ風に乗って 〜焦心〜
ひんやりとした空気が、頬を刺す。
でも、今の私にはそれが返って心地よくも感じられ、空を見上げると星がほんの僅かだが光っているのが見えたが、星屑のような満点の星空ではなかった。
ふと、あの夜のことを思い出す。
また、行きたいな。あのプラネタリウムのような、山の頂上。鹿が出てきたりして、凄く楽しかった。でも、その前に明日が待っている。
どんなことを、名倉部長に聞かれるんだろう。高橋さんも、同席してくれるのかな?
そう言えば、事務所を開けっ放しにして高橋さんに怒られたことも、まだきちんとお詫びできてない。さっきも、聞いてもらえなかった。
きっと、呆れているんだろうな。自覚が足りないって……。
不安材料ばかりが思い浮かんできて、ジッと空を見上げていたら空気が乾燥していたせいもあるのか、目が痛くなって空を見上げながら涙がこぼれた。
エッ……。
すると、後ろでカーテンを開ける音がして、直ぐにサッシの鍵が開く音がしたので慌てて涙を拭った。
高橋さんも、まさか私が居るとは思っていなかったらしく、目を丸くしながらサッシを開けるのが見えた。
高橋さんの手には、煙草とライターが握られていて、部屋の中で吸わず外に吸いに出て来たようだった。
「お前。こんな遅くに、しかもそんな格好で何やってるんだ?」
「そ、それは……。た、高橋さんこそ、どうしたんですか? 煙草でしたら、部屋で吸えばいいじゃないですか」
「……」
な、何?
高橋さんが、黙ってジッと私を見つめているので何だか何も言えなくなってしまった。
「泣いていたのか?」
「あっ……あの……」
嘘。
気づかれてしまったみたいで、咄嗟に俯いた。
「辛かったら、俺に言えと言っただろう?」
高橋さん。
そんな優しい声で、言わないで。
「何が辛い?」
何がって……。
今なら、聞いてもらえるかな?
でも、今の私にはそれが返って心地よくも感じられ、空を見上げると星がほんの僅かだが光っているのが見えたが、星屑のような満点の星空ではなかった。
ふと、あの夜のことを思い出す。
また、行きたいな。あのプラネタリウムのような、山の頂上。鹿が出てきたりして、凄く楽しかった。でも、その前に明日が待っている。
どんなことを、名倉部長に聞かれるんだろう。高橋さんも、同席してくれるのかな?
そう言えば、事務所を開けっ放しにして高橋さんに怒られたことも、まだきちんとお詫びできてない。さっきも、聞いてもらえなかった。
きっと、呆れているんだろうな。自覚が足りないって……。
不安材料ばかりが思い浮かんできて、ジッと空を見上げていたら空気が乾燥していたせいもあるのか、目が痛くなって空を見上げながら涙がこぼれた。
エッ……。
すると、後ろでカーテンを開ける音がして、直ぐにサッシの鍵が開く音がしたので慌てて涙を拭った。
高橋さんも、まさか私が居るとは思っていなかったらしく、目を丸くしながらサッシを開けるのが見えた。
高橋さんの手には、煙草とライターが握られていて、部屋の中で吸わず外に吸いに出て来たようだった。
「お前。こんな遅くに、しかもそんな格好で何やってるんだ?」
「そ、それは……。た、高橋さんこそ、どうしたんですか? 煙草でしたら、部屋で吸えばいいじゃないですか」
「……」
な、何?
高橋さんが、黙ってジッと私を見つめているので何だか何も言えなくなってしまった。
「泣いていたのか?」
「あっ……あの……」
嘘。
気づかれてしまったみたいで、咄嗟に俯いた。
「辛かったら、俺に言えと言っただろう?」
高橋さん。
そんな優しい声で、言わないで。
「何が辛い?」
何がって……。
今なら、聞いてもらえるかな?