新そよ風に乗って 〜焦心〜
「ほら、地獄耳の紀子が騒ぎ出した」
「青木君。紀子にメロメロだってさ」
「本当? やっぱりね。そうじゃないかと思ってたわ。青木」
す、凄いな。このテンションに、ついていかれないかも。
「あれ? まゆみの隣に居る子って、確か……」
「経理の矢島さんよ」
「ああ、やっぱり。いつも、紀子憧れてんの」
この人、酔っぱらってる?
「憧れてる?」
隣で青木さんが、不思議そうな声で聞き返している。
「ほら、いつも矢島さんと一緒居る、あの不可侵の令息って雰囲気のSPI」
「ああ、ハイブ……高橋さんね」
まゆみは途中までハイブリッジと言い掛けたが、直ぐに高橋さんと言い直すと舌を出してこちらを見て笑っていた。
「そうそう。その不可侵の令息と、1度でいいから話してみたいわ。勿論、仕事抜きでね」
やっぱり、高橋さんは有名なんだ。
不可侵の令息……。
周りから見ると、そんなイメージなのかな。
確かに、近寄りがたい雰囲気を醸し出している時もあるけれど、プライベートの高橋さんは格好いいだけじゃなくて、お茶目で……。
ハッ!
また、余計なこと考えてる。
「陽子?」
「えっ?」
「何、ボーッとして」
「あっ。う、うん。ちょっと、考え事してたから。ごめんね」
「それじゃ、此処はお開きにして、二次会はカラオケ行きます」
柏木さんの声掛けで、みんな一斉に立ち上がって会計に向かおうとしている。
「女子は、1人1000円。男子は、応相談。男子はレジに集合。女子は1000握りしめてて」
「柏木君。最高!」
柏木さんの言葉に、紀子さんが柏木さんの肩を叩きながら投げキッスをした。
「陽子も行くでしょう?」
「私は……」
「行こうよ。まだ、時間も早いからさ」
そう言って、青木さんはレジに急いで向かっていった。
「もし疲れちゃったら、途中で帰ってもいいじゃない」
「そうだね。そうする」
このまま帰ってしまうのは、せっかく企画してくれたまゆみにも悪いし、誰も帰る人が居なかったので、二次会にも少し顔を出してから帰ろうと思った。
「青木君。紀子にメロメロだってさ」
「本当? やっぱりね。そうじゃないかと思ってたわ。青木」
す、凄いな。このテンションに、ついていかれないかも。
「あれ? まゆみの隣に居る子って、確か……」
「経理の矢島さんよ」
「ああ、やっぱり。いつも、紀子憧れてんの」
この人、酔っぱらってる?
「憧れてる?」
隣で青木さんが、不思議そうな声で聞き返している。
「ほら、いつも矢島さんと一緒居る、あの不可侵の令息って雰囲気のSPI」
「ああ、ハイブ……高橋さんね」
まゆみは途中までハイブリッジと言い掛けたが、直ぐに高橋さんと言い直すと舌を出してこちらを見て笑っていた。
「そうそう。その不可侵の令息と、1度でいいから話してみたいわ。勿論、仕事抜きでね」
やっぱり、高橋さんは有名なんだ。
不可侵の令息……。
周りから見ると、そんなイメージなのかな。
確かに、近寄りがたい雰囲気を醸し出している時もあるけれど、プライベートの高橋さんは格好いいだけじゃなくて、お茶目で……。
ハッ!
また、余計なこと考えてる。
「陽子?」
「えっ?」
「何、ボーッとして」
「あっ。う、うん。ちょっと、考え事してたから。ごめんね」
「それじゃ、此処はお開きにして、二次会はカラオケ行きます」
柏木さんの声掛けで、みんな一斉に立ち上がって会計に向かおうとしている。
「女子は、1人1000円。男子は、応相談。男子はレジに集合。女子は1000握りしめてて」
「柏木君。最高!」
柏木さんの言葉に、紀子さんが柏木さんの肩を叩きながら投げキッスをした。
「陽子も行くでしょう?」
「私は……」
「行こうよ。まだ、時間も早いからさ」
そう言って、青木さんはレジに急いで向かっていった。
「もし疲れちゃったら、途中で帰ってもいいじゃない」
「そうだね。そうする」
このまま帰ってしまうのは、せっかく企画してくれたまゆみにも悪いし、誰も帰る人が居なかったので、二次会にも少し顔を出してから帰ろうと思った。