『春・夏・秋・冬』
誕生日の当日。


仕事が終わって、みんなで、ご飯に出かけた。


秋からは、手作りのメッセージカードと秋とお揃いの世界に2つしかない、くらげ人形をもらった。


夏からは、前から欲しかったグレーのワンピースをもらった。


冬からは、ずっと欲しいっていってた、お守りのグリーンの石。




「春、おめでとう。」


全員の声がかさなり、感激のあまり、涙ぐむ私。



「みんな、ありがとう。」


ねぇ、やっぱり、伝えたいよ。


こんなにそばにいるのに。




「うっ、ぎもちわりぃ〜。」


「春、大丈夫?」


「うっ、ダメー!!」


私は肝心な時にいつもこうなの。


「飲み過ぎた。秋、もうダメェ〜。」



「主役のおまえがこんなじゃあ、仕方ないなぁ。
おぶって帰るか。
ほれ。」


夏の首に手をまわし、おんぶする春。


「おもっ、おもてー。」


その後ろを歩く、秋と冬。


いつも私が調子が悪くなると、おぶってくれる夏。


それを笑いながら、はしゃぐ、冬。


そして、優しい眼差しでみつめる秋。



やっぱり、壊したくないよね。



< 8 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop