2番目に好きな君へ
高校1年生の時だった
ロングヘアで化粧も不慣れな私は高校入学と同時に前髪を作った。
それが私にとって中学と高校を区別するような意味合いがあって、何となく気合い入れのような気持ちがあった。

バスケ部の勧誘から逃げるために
昔からしていたバドミントン部に仮入部をした。
適当にやって逃げようと思っていた矢先、
そこそこガチの部活をしていた中学だったのもあって、周りよりは少し優れていた私は
先輩に気にいられ気付けば入部届けを出していないのに、入部という形になっていた。

私の学年にバドミントン部の男子は1人だけだった。
入学してすぐ私はどちらかと言うと社交的だったので、男女問わず友達もそれなりに多く
その男の子にも声をかけた
「はじめまして」
彼の左手を強引に掴んで満面の笑みで彼の腕を上下に振った
彼は少し困ったように、でもどこか明るさを感じるような声で
「よ、よろしく」
と私の目を見て答えた
名前は、シュウ。

これが私と彼が初めて交わした会話だった。
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