甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
「だから! ビジュも中身も天使な十和くんと,仲良さそうにしてたんでしょ? いつの間に?!」



今度は天使……?

興奮冷めやらんもーちゃんに,私は首をかしげる。

もう何がなんだか……

十和が何なの……?

王子はともかく,天使は全く似合わない。

落ち着いていて,余裕のあるある感じ。

それを,わざわざ例えるなら……そう



「悪戯っ子な……小悪魔?」

「え,何て? 何,誰が?」

「あ,んーん。なんでも」



危ない,口に出てた。

さっと片手で口を覆い,笑う。

微妙な空気が流れるも,ありがたいことにもーちゃんは1人で話し始めた。



「あのねぇ……?」



いーい? と腰に手を当てるもーちゃん。

彼女は,誰よりお人好しで,恋愛や噂が大好きな女の子。

顔一杯に笑顔を広げ,きらきらと目を輝かせるもーちゃんが,私は大好きだ。
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