甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
「ちょっとどう言うこと?!」
声をかける必要もなく,教室に戻るなり私は捕らえられた。
手を握る,頬を上気させたもーちゃんの勢いに私は背をそる。
これは最後まで聞かなくちゃなやつだ……
そうそうに観念した私は
「はいはい。それで,何が……?」
ともーちゃんを宥めた。
の,はずなんだけど。
「もー!!!」
余計に勢いを増したもーちゃんに,身体をガタガタと揺らされる。
それは,もーちゃん,こっちのセリフ……
私はあうあうと喘ぎながら,これ以上刺激しないよう細心の注意を払ってもーちゃんの言葉を待った。
目が,回る。
「何もなにも! いつ1年の王子サマと知り合ったの?!」