スキがない総長の大胆な溺愛
『本当…なくなってる』
『じゃあ一緒に取りに行こう。風で飛ばされちゃダメだから、俺だけが分かる所に隠しておいたんだ』
『そうなんだ…ありがとう』
皆から恐れられている夜野くんでも、こんな風に誰かに優しくする事あるんだなぁ――
と考えながら、大人しく彼の後をついていき、
そして、校舎裏に来た。
そこで私は、夜野くんの本当の姿を知ることになる。
「それで、あの…私のハンカチって、どこに置いてくれたの?」
「………。あぁ、うん」
「(なに?その間は?)」
夜野くんは「ハンカチ」の単語を聞いてキョトンとしていた。
かと思えば大きく頷いて「そうだったね」と笑う。
「そういえば、そんな話だったね」と。