スキがない総長の大胆な溺愛
変化
優利にフラれてから数日。
なんか…蒼羽の様子がおかしい。
それは学校にいる時から始まり、
「明里、移動教室行こ」
「昼ご飯一緒に食べよ」
「放課後どこか寄る?」
そして家の中でも続いた。
「明里の好きなお菓子買って来たよ」
「お風呂今日はバスボム入れたんだ」
「今日は明里の好きな出前とろうよ」
他人に無関心な蒼羽が、グイグイ私に近づいてくる。
物理的にも、メンタル的にも。
優利にフラれたって事を忘れるくらい、私は蒼羽の変化に戸惑った。
いや、むしろ…
私の失恋を悟った蒼羽が、私を元気づけるためにわざと明るく振る舞ってる…とか?
そんな事さえ思ってしまう。