スキがない総長の大胆な溺愛
以前は、休み時間に優利が私の教室に遊びに来ることが多かったけど…
最近は、時間がある時はずっと蒼羽と話している。
だから、優利だけじゃなくてクラスの誰も私に話しかけてこない。
同居してるから私は蒼羽をあまり怖いとは思わなくなってきたけど…
蒼羽の中身を知らないクラスの皆は、今も尚、蒼羽を遠巻きにしていた。
「(蒼羽が、もっと積極的に皆に話し掛ければいいのに…)」
はぁとため息をついた時。
「そう言えば…」と思い出す。
一度だけ。
ケンカ後、優利と廊下ですれ違った事がある。
その時の優利は、私に何かを言おうとしたけど…話す勇気がまだなかった私は顔を下げた。
「……」
「……っ」
二人に気まずい空気が流れていた、
その時。
『明里、行こう』