スキがない総長の大胆な溺愛
ソッと。
ハサミに伸びる手が震える。
こんな物を持ってどうするんだと、私の中の私が、必死に自分に問いかけている。
そんな私の頭の中にあるのは二文字のみ。
それは、
「復讐…」
蒼羽は、私を助けに広場に来た時に言った。
――やられたからやり返すのは嫌い?
あの時は誤魔化したけど…でもね、蒼羽。
私は…嫌いじゃないんだよ。
やられた分だけ、同じ思いを相手にもして欲しいって思うよ。
大事な優利が傷つけられたんだし、復讐したいって思うよ。
「(だから良いよね?蒼羽)」