スキがない総長の大胆な溺愛
いつも隙がなくて、大胆不敵で、何を考えているか分からない蒼羽だけど…

どんな時だって、必ず私を助けてくれた。



――な…んで……来たの…?
――うん。なんでだろうね



その根底にある物は、まぎれもない蒼羽の優しさだって…私は知ってしまった。



――今度この子に手を出して見ろ。次はお前の心臓を止める
――明里!大丈夫!?
――悪者になる。明里にだけ、特別だよ



「(あぁ…そうか……)」



私の中で蒼羽の存在は…

もう裏切ることが出来ないほど、

どうしようもなく大切な物になっているんだ。



「(…~っ)」



蒼羽、ごめんね。

ありがとう、そして、やっぱりごめん。

一度でもハサミを握ってしまった私の弱い部分を…

蒼羽に知られたくないと思う、そんな卑怯な私を見逃してほしい。



「うっ、ひ……っ、」



パタリと落ちた涙が、優利のお腹に落ちる。

それはすごい速さで、服に染み込んでいった。
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