スキがない総長の大胆な溺愛
「…目にゴミが入った」

「それは痛いね」



「来て」と言い、蒼羽は私を手招きする。

蒼羽は体を起こして床に座り、そしてあぐらをかいた足の上に私を着地させた。



ポスッ



「……え?」

「涙、拭いてあげる」



拭いてあげるって…今の蒼羽には私の背中しか映ってないじゃん。どうやって拭くの?



「涙くらい自分で拭けるよ…。それより、近すぎてドキドキするから離れていい?」

「え、ドキドキするの?」

「…蒼羽はしないの?」



普通、誰かとこんなに近くにいたら…ドキドキするでしょ?

ましてや、その相手が蒼羽ならなおさら…



「(ん?)」



蒼羽ならなおさら…って、なに?

蒼羽だからドキドキしてるの?私…。



「(え?…ん?)」



自分で思った事なのに、自分でわけわからなくって…混乱する。

さっき蒼羽を「大切な物」って言ったけど…

その本当の意味って――
< 129 / 235 >

この作品をシェア

pagetop