スキがない総長の大胆な溺愛
「(友達?親友?……答えが出そうで出ない)」



あぐらの上に座って考え込む私の肩を、蒼羽がチョイチョイとつつく。

振り向くと…なぜか不敵な笑みを浮かべている彼。



「な、なに?その笑みは…」

「いや、さっきさ。俺の勘違いじゃなかったらさ…。

明里、俺の寝込みを襲おうとした?」

「へ……お、襲う⁉」



バッと蒼羽から離れる。

そうか…!

さっき私のした事って、蒼羽から見ればそういう事になるよね⁉



「ご、ごめん蒼羽…その…!お腹の傷どうなったかなって、見たくなって」

「明里が毎晩消毒して見てくれてるのに?」

「しょ、消毒の時間が近づいてきたから、本能で動いちゃったのかな⁉」



ごめんね!!



何とか勢いで誤魔化そうとする。

だけど蒼羽の不敵な笑みはそのまま。

どうやら私を逃がしてくれる気はないらしい。



「ねえ明里、もしかして…俺に手を出してほしいの?」
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