スキがない総長の大胆な溺愛

ハンカチを大事に持って、落としただろう人の元へ近寄る。

私より前を歩いていた人は、私の声を聞いてピタリと立ち止まり、

そしてゆっくりと振り返った。



「あ、私のだ！失くさなくて良かった…ありがとうございます」

「！？」



一瞬、息が止まるくらい驚いた。

だって、振り向いたその人は…



「み、美月さん！！」

「え、えぇっ？」



以前、ずっと探し求めていた、春風さんの彼女。

美月さんだったから。



「え、えぇえ？どうしてここに？そう言えば今日はお友達は？いや、それより春風さんは、」

「お、落ち着いて？ね？」



その後…



私が美月さんの名前を一方的に知っている不気味な状況を早急に改善すべく、慌てながら説明していた私。

だけど美月さんは、私の肩に優しく手を置いて…



『あなたさえ良ければなんだけど…せっかくだから、お茶しない？』



ニッコリほほ笑む美女に言われ…。

私は今、美月さんとカフェのオープンテラスにて、一息ついている。



「そっかぁ。この前、生吹くんと会ったんだね」