スキがない総長の大胆な溺愛
「え……そう見える?」

「そうとしか見えないです」



ハッキリ言うと、美月さんは再び照れた。

だけど次には、眉が八の字に下がる。



「だけどね、私ダメダメなんだ。幼稚園の時からの幼馴染がいるんだけど…私の無神経な言葉で、何度も傷つけちゃった事があるの」

「その人とは、今は…」



「あ、今はね仲良しなんだよ!拾ってくれたハンカチもね、その幼馴染がくれたんだ。

きちんと話し合って、理解し合って…。そうしたらね、前よりもずっと仲良しになれたの」

「きちんと話し合う…ですか」



その言葉を聞いて、思い浮かんだのは…優利の事。

中学の時から一緒だった優利。

今まで一度だってケンカした事はなかったのに…。



――もういいよ…私の事は放っておいて
――おい明里…!



私が悪いって……分かってる。

だからこそ謝りたいって、そう思ってる。



だけど…。



「美月さん…勇気って、どうやったら出ますか…?」
< 142 / 235 >

この作品をシェア

pagetop