スキがない総長の大胆な溺愛
「勇気?」

「話し合いたい人がいるんです。だけど…勇気が出なくて…」



シュンと肩を落とす私に、美月さんは、さっきと同じように優しく肩を叩いてくれた。



「明里ちゃん…こっち見て?」



美月さんは顔を傾けて、私を覗き見る。

その手には、白いハンカチがあった。



「これ、明里ちゃんに持っててもらいたいんだ」

「私が、これを…?」



「あ、洗濯してから一度も使ってない…です…」

「(照れてる…可愛い…!)」



私の中で「癒し」ボルテージがMaxを振り切った時、美月さんは「急にごめんね」と、困ったように笑った。



「私の自己満足なんだけど…これはお守り。

明里ちゃんが、その人と話せますようにって。仲直り出来ますようにって。

そして、明里ちゃんが今よりもっと笑えますようにって。そういう願いを込めたお守り」
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