スキがない総長の大胆な溺愛
決闘
「よー蒼羽。久しぶりぃ」
そう言ったのは……嵐太だった。
広場で会った時以来の再会。
以前、蒼羽にボコボコにされた傷は完治とはいかなかったようで、嵐太の体には所々ガーゼが貼ってある。
だけど…そんな中でも嵐太は自信ありげに笑う。
それはきっと、自分の後ろに大勢の仲間がスタンバイし、自分の立場を「劣勢」と思っていないから。
「よ~弟。加勢に来たぜ?」
「な…っ⁉」
驚いたのは、優利の方だった。
蒼羽は、焦る優利をチラリと見て「ふぅん」と笑う。
「一対一の決闘に加勢つきとはね。随分と根回しが良い事だ」